• 須見武広 氏

  • 現役編集者のオススメ作品の第2弾!

    今回のピックアップは「現役編集者のオススメ作品を紹介」の第2弾!



    第2弾は前回好評の(墨)こと須見武広さんのオススメ作品をご紹介します。

    【 オススメ作品とエピソード 】
    ●ツマヌダ格闘街/上山道郎・著
              (ヤングキング編集長時代のオススメ)

    8/17に最新18巻が発売となる本作。お互いに共通のとある漫画の話で盛り上がり、紆余曲折を経て始める事となりました。私がヤングキング編集長になってすぐくらいに始めたのですが、まさかこんなに長く続くとは、正直2人共思っていなかったですねという話を、先日上山道郎氏と喫茶店でしたばかりです(笑) 格闘技というジャンルには一定数のコアなファンがいると推測しています。様々な物を観て聞いて読んでいている目の肥えた読者が沢山いるので、多少好きな程度ではなかなか足を踏み入れ難いジャンルだと思います。しかし打ち合わせしている時に次々に出てくる氏の知識量は尋常ではありません。更に日々更新されていく知識を、氏と私を含めた数人で毎月実証実験しているので、しっかりと実践的でもあるネタに昇華していってると思います。最近はその研究会後に入るゆっくり温浴施設に浸かる事がすっかり癖になり、私個人銭湯好きになりました。色々と影響される事が多い作品です。

    ●サンケンロック/Boichi・著
              (ヤングキングのオススメ作品)

    今回の企画の私の自画像に使用されているのは、Boichi氏が単行本の3巻あとがきページで描いたものです。ちなみにそこで私は、[サンケンロック]の前のネタを「暗い!」と言って却下しています(笑) 氏とは私がヤングキングの編集長に就任した頃に友人の紹介で出会いました。当時から絵が上手い方だなと思っていましたが、毎回絵を進化させ続けています。筆をメインとした力強いキャラクター造形に、ド迫力のアクション描写の連続など、今も原稿を貰う度に唸らせられます。また、氏の漫画の魅力は絵だけではありません。男女の事、人間の事、日本や韓国の事、漫画界…それらの喜怒哀楽、時に痛みなどの「想い」がストレートにセリフで表現されていて、心を揺さぶられます。作中でキャラクターの流す血と涙は、そのまま氏が心の中で流していたものなのだろうなと思うのです。あと1つこの作品の魅力は「食」。随所で登場人物たちが美味しい物を食べていて、いつもお腹が空いてしまいます。

    ●スピリットサークル/水上悟志・著
              (アワーズのオススメ作品)

    水上悟志氏は、出会った頃と現在とほとんど印象が変わりっていません。上昇志向が強く、「面白い」漫画を描く事に貪欲な青年で、いつも我々の想定を超える作品を生み出していきました。ちなみにその時の事は、現在アワーズ及びアワーズGHの巻末漫画持ち込みページに氏が連載している[おれのまんが道(仮)]で詳細に描かれております。熱狂的な愛読者が多い事で知られる出世作「惑星のさみだれ」の連載前に異動で担当を外れ、久しぶりに担当に復帰した本作ですが、この物語は主人公のフータとヒロインのコーコが7つの前世で互いに憎み、愛し、関わって来た様を見ていきます。その理由は?その先に待ち受けるものとは!?という続きが気になるこの作品、8/29発売で最新の5巻が刊行される予定です。各年代の主人公たちは、短いスパンで各々の人生が濃厚に描かれています。FAXでネームを読ませて貰う時は度々、仕事を忘れて心を動かされる事が多い、自信のオススメ担当作品です。

    ●猫瞽女 -ネコゴゼ-/宇河弘樹・著
              (アワーズGHのオススメ作品)

    著者・宇河弘樹氏の担当になったきっかけは、氏が少年画報社に持ち込みに来た時に見たのが私だったからです。最初に読ませて貰った作品は第1短編集[妖の寄る家]に収録されておりますが、最初からビックリするほどクオリティが高くて、とても面白かったのを思い出します。短編なんだけど、その作品世界で描かれている様々な情報源の、底が知れなさが凄かった。爆発的に大ヒットした[朝霧の巫女]執筆当時、原稿待ちをしている私は暇になり、本好きなので氏の書庫の資料本の背を眺めていたのですが読んだ事も無いような書名のものが多かったですね。現在アワーズGHで始めた本作は、戦後日本がアメリカではなくソ連に占領されたという世界設定です。三味線を携えた目の見えない女芸能者「瞽女」をヒロインに、共産化してエライ風景になってる戦後東京を舞台にまたしても様々なネタを縦横無尽に話に盛り込み、キャラクター達がその世界で切った張ったの大立ち回り!面白くないわけない!

    (「猫瞽女-ネコゴゼ-」の電子書籍は現在、制作中です。もうしばらくおまちください。)


    【 編集者のご紹介 】
    ★(墨)こと須見武広/1969年生まれ。ハロプロと酒をこよなく愛する北海道出身の45歳独身。
    【略歴】大陸書房、角川書店を経て1993年11月、少年画報社に中途入社し、ヤングキング編集部に配属される。現在は月刊ヤングキングアワーズGH(ジーエイチ)編集部に所属。
    【傾向】「なかよし」「花ゆめ」な少女漫画も「ジャンプ」「サンデー」な少年漫画も分け隔てなく好きだったが、小学生時代より「少年KING」や「少年ビックコミック」を優先的に購読。ムー的なオカルト、SF、伝奇などのマニアックなジャンルや、格闘漫画や喧嘩上等なヤンキーものが大好物だった。司馬遼太郎や山本周五郎、宮城谷昌光などの歴史小説も好きなので、今後は歴史物にもチャレンジしたい。


    【 担当作品 】(順不同)
    ●ヤングキング●
    山本隆一郎「GOLD」
    花見沢Q太郎「ももいろさんご」
    Boichi「サンケンロック」
    上山道郎「ツマヌダ格闘街」
    塩野干支郎次「ブロッケンブラッド」

    ●KINGDAM●
    私屋カヲル「青春ビンタ!」

    ●YKアワーズ●
    伊藤明弘「ジオブリーダーズ」
    宇河弘樹「朝霧の巫女」
    やまむらはじめ「カムナガラ」「天にひびき」
    鈴木恭太郎「ブレイドブレイカー」
    水上悟志「スピリットサークル」

    ●月刊YKアワーズGH●
    塩野干支郎次「この人類域のゼルフィー 」「ウイングドマーメイズ」
    花見沢Q太郎「少年よ大志を抱け!」「まるせい」
    内々けやき「女子轟生」
    上山徹郎「テングガール」
    光永康則「棺探偵D&W」
    宇河弘樹「猫瞽女-ネコゴゼ-」

  • ツマヌダ格闘街 / 1

    tsumanudafaitotaun1

    上山道郎

    ueyamamichirou
    八重樫ミツル、18歳。イラストレーターを目指し上京したが、住もうと思った妻沼田市は町おこしの為、ストリートファイトを制度化した変わった所だった。謎のメイド・ドラエと出会い、その導きのもと格闘技の世界に足を踏み入れたミツルの運命は……!? 実践格闘アクション!!
  • サンケンロック / 1

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    Boichi

    bouichi
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  • スピリットサークル / 1

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    mizukamisatoshi
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